ヘッドライト・マルチリフレクター化
用意するもの
・7mmレンチ
・12mmレンチ
・プラスドライバー
・マルチリフレクターヘッドライト
・GSF250/N/ZM用リテーニングリング・リング
・なべセムス(M4×15)×3
注目!
私のBanditは今までに2回、乗用車との接触を経験しました。
これまでは幸運にも復活することが出来ましたが、今後も同じ様に修理が可能である保証はありません。そこでヘッドライトをマルチリフレクター化させることで、照度の上昇はもちろん、光度も併せて上昇させることで、周囲からの視認性を向上させることが今回の目的です。

ヘッドライトをマルチリフレクター化させることで、バルブの能力をより一層引き出すことが可能となります。Banditの場合、汎用品のマルチリフレクターヘッドライトをつるしの状態で取り付けることは不可能なので、装着に際しては工具の他にもGSF250/N/ZM用のリテーニングリング及びリング等いくつかの部品が不可欠となります。今回は某ネットオークションで、上記該当のヘッドライト(中古)をユニットごと入手することに成功しました。

ちなみにパーツリストを参照すると、リテーニングリングの部品番号は35127−45030、リングの部品番号は35130−45030となっております。
まず最初にGSF250/N/ZM用のヘッドライトユニットから、リムを分離します。写真の矢印の先にあるボルト類を、7mmのレンチとプラスドライバーを使用して取り外してしまいましょう。ボルトとナットを取り外すと、リムはそのままフリーな状態になります。

取り外したボルトとナットは再度使用しますので、紛失することのないように大切に保管しておいてください。
ヘッドライトユニットからリムを取り外したところです。
今回は取り外したGJ74A用のリムをそのままマルチリフレクターヘッドライトの方に取り付けますが、おそらくGJ77A用のリムでも取り付けは可能だと思われます。リテーニングリングとリングのみを購入して取り付け作業をなさっている方は、現車から取り外したヘッドライトユニットのリムをそのまま使用することになります。
今度はヘッドライトユニットから、リテーニングリングとリングを分離します。
写真の矢印の先にある3箇所のネジを、それぞれ取り外してください。使用する工具はプラスドライバーのみです。これら3本のネジを取り外すことで、ヘッドライトユニットからリテーニングリングとリングを分離することが可能となります。
ヘッドライトユニットからリテーニングリング等を取り外した状態です。
写真では上から順に、リング、リテーニングリング、ヘッドライトユニットの順に並べてあります。

取り外したリテーニングリング等の部品は、破損したりすることがないように慎重に取り扱ってください。

今回装着するマルチリフレクターヘッドライトの方には、防水用のゴムカバーが付属していなかったので、GJ74A用のゴムカバーを拝借して使用することにします。
マルチリフレクターヘッドライトに、取り外してあったリテーニングリングとリングを装着します。
3箇所ある取り付け箇所それぞれを取り外したときと逆の手順で、ネジで固定してしまいましょう。ただし、このときに使用するネジは純正のものではなく、新たに買い揃えたなべセムスを使用します。このなべセムスは純正のものに比べて、5mmリーチが長く、長さが15mmあります。

ネジの長さを延長した理由は、写真からも見てとれるかとは思いますが、リテーニングリングとリングの間にマルチリフレクターヘッドライトを介した場合、両者が密着せずにやや浮いた状態になってしまうからです。
上記までの作業が終われば、今度はマルチリフレクターヘッドライトにリムを取り付けます。
2箇所ある取り付け箇所にそれぞれボルトを挿入し、反対側からナットで固定します。このときに使用する工具は取り外したときと同様に、プラスドライバーと7mmのレンチです。

リムは構造上、完全に固定されるようには出来ていないので、ナットを必要以上のトルクで締め付けないように注意してください(ヘッドライトの横方向の光軸調節機能のために可動する必要があります)。
写真は車両から取り外したヘッドライトユニットです。
今回用意したGJ74A用のヘッドライトユニットには、光軸調節用の部品が欠けていたので、車両側のヘッドライトユニットから移植します。

しかし「移植」とはいっても、作業は決して大げさなものではなく、写真の矢印の先にあるネジをプラスドライバーを使用して取り外し、マルチリフレクターヘッドライトのほうに取り付けるだけです。もちろんネジだけではなく、ネジを固定するための樹脂製の部品も併せて移設します。

取り付けに際し、特別な加工等は一切必要ありませんでした。
車両に取り付ける直前の、マルチリフレクターヘッドライトユニットです。
上記の作業で移植した、光軸調節用の部品は写真の矢印の先にあります。
また防水用のゴムカバー(GJ74A用のものを使用)も車両に取り付ける前に装着しておく必要があります。

ポジションランプに関しては、今回は使用しないことにします。
そのため配線が風雨により傷むことがないように、キッチン用の保存バッグで保護しておきます。

キッチン用の保存バッグは、ヘッドライトハウジング内の熱量に充分耐え得るでしょう。
写真はヘッドライトハウジング内を写したものです。

矢印の先に配線類を束ねる金具があるのがわかると思います。この金具がこのままの状態ではヘッドライトユニットと干渉してしまうため、180度回転させて裏側から配線類を束ねるようにします。金具を回転させるためには、金具を固定しているナットをある程度緩める必要があるのですが、このナットを緩めるためには、ナットに直接工具をかけるよりも、ボルト側を緩める方が作業は格段に楽です。このときナット側をレンチ等で固定する必要はありません。

ヘッドライトユニットの取り外し方は、ヘッドライトバルブ交換のページを参考にしてください。
【参照: ヘッドライトバルブ交換
金具を180度回転させた後の画像です。
上記の画像と比べると、違いが一目瞭然だと思います。たったこれだけのことなのですが、ヘッドライトユニットが収納されるスペースを稼ぎ出すことが出来ます。

バイクの年式や整備した人間によって、ヘッドライトハウジング内の模様は多少異なるかと思われます。もし上記の金具以外にもヘッドライトユニットと干渉する箇所があれば、干渉している箇所を余裕のあるスペースの方へ逃がしてあげるようにしましょう。
最後にマルチリフレクターヘッドライトユニットを車体(ヘッドライトハウジング)に取り付けます。

マルチリフレクターヘッドライトユニットのバルブにコネクターを接続してから、ハウジングにヘッドライトユニットをおさめます。最後にネジでハウジングにヘッドライトユニットを固定すれば、取り付け作業の全工程は終了です。

乗り出す前に・・
キーをONの状態にし、新しいヘッドライトユニットのバルブがきちんと点灯するのか、確認しておきましょう。点灯しない場合は、コネクターの接続状態を再度確認し、併せてバルブがタマ切れの状態になっていないかチェックしてください。