チェーン給油
用意するもの
・四輪車用車載ジャッキ
・厚手の布
・チェーンオイル
・キッチンタオル
注目!
チェーン給油はバイクのメンテナンスの基本と言えます。他のあらゆるメンテナンスをショップ任せにされている方でもチェーン給油ぐらいは自らの手で行われた方が良いでしょう。自らの手で給油することでチェーンの現状をつぶさに把握出来ますし、給油作業をより良いタイミングで行えるので、結果的にチェーンの寿命をいたずらに縮めることなく済みます。チェーン給油のタイミングは走行距離で500km毎、また雨天走行後にもなるべく給油を行うようにします。
まずチェーンに給油を行うためには後輪を接地していない状態にする必要があるので、センタースタンドが装備されていないバイクの場合には写真のように四輪車用の車載ジャッキを利用するなどして車体をジャッキアップし、後輪を宙に浮かす作業から始めます。 【参照: 車体のジャッキアップ

車体をジャッキアップ(後輪が接地していない状態)した後、実際のチェーン給油作業に入るわけですが、このとき必ずエンジンが停止していることを確認するようにしてください。また第三者が誤ってエンジンをかけてしまうようなことがないように、周辺にも充分に注意を払う必要があります。エンジンを運転させた状態での給油作業は最悪、チェーンとスプロケットの間に手を挟んで指を切断するなどの重大な事態を招いてしまう可能性があります。
今回私が使用したチェーンオイルです。
私のBanditの場合、チェーンをゴールドのカラーチェーンに交換しているので、無色透明のタイプを選びました。しかし白色フッ素を主成分にしているものに比べるとやはりオイルが飛散しやすいという面は否定出来ないので、特にカラーチェーンを使用しているなどの理由がなければ白色フッ素を主成分にしているものを使用した方が良いでしょう。
チェーンに給油する際、後輪を手でゆっくりと回しながら作業を進めていくわけですが、このときどのコマまでが給油を終えているのかわからなくなることがあります。特に夜間充分な照明がない状況で作業をしているときなどにはよくありがちです。オイルを必要以上に給油しても意味がないばかりか、余ったオイルが周辺に飛散し、チェーン廻り、リヤホイールなどを汚してしまうので注意したいところです。対策としてはチェーンのジョイント(私のBanditでは写真の矢印で示しているコマ)などを目印にして、チェーンが一周したことを判別する方法などがありますが、あらかじめキッチンタオルなどを用意しておき、余ったオイルを拭き取る準備をしておくのが一番無難です。
ここからはチェーン給油の具体的なやり方です。
まずチェーンオイルのスプレー缶を使用前によく振ってください。振り終わったらノズルをチェーンの内周に向け、プレートとプレートの間、リンク部にスポット状に少量づつスプレーしていきます。この給油作業中、時間がある程度経過したらスプレー缶は再度振り直すようにしてください。
上記までの作業の説明に使用した写真は全て車体の左側から撮影したものでしたが、もちろん車体の右側からも左側からの場合と同様にチェーンの内周に向かってチェーンオイルを塗付していきます。そして車体の右側から行う給油作業でも左側と同様にチェーン一周の目印にジョイントを使用すると無駄が省けて便利です。

チェーンオイルの塗付が全て終われば、後輪をゆっくりと数回回してオイルがチェーンによく馴染むようにします。私はこの後10分程放置してから、再び後輪をゆっくりと数回回し、余ったオイルがあればキッチンタオルで拭き取るようにしています。

以上で給油作業は全て終了です。車体をジャッキから降ろして、周辺を片付けましょう。