シート張り替え
用意するもの
・タッカー
・タッカー針
・マイナスドライバー
・ラジオペンチ
・ニッパー
・ドライヤー
・裁ちバサミ
・10mmレンチ
・シート生地
注目!
純正のシート皮が経年変化により裂けてしまったので、新しい生地に張り替えます。
今回新たに張り付ける生地は、Bandit(GJ77A)用に立体裁断されたシート皮ではなく、ホームセンターでソファー用として販売されていたものです。そのため生地をシートに張り付ける際には、嫌が応でもシワとの格闘になります。ドライヤー等を用意して、生地を温めながら作業を進めるようにしましょう。シワが格段に出来にくくなるハズです。

純正のシート皮を取り外す際には、古いタッカー針や工具類が目に入ることのないように、充分に注意しましょう。特に錆びて腐食したタッカー針は、ベースから引き抜く際に途中から折れてしまうことがあるので、大変危険です。
車体からシートを取り外します。
シートの張り替え作業は、明るい場所で行うことを強くお奨めします。また作業によってはドライヤーを使用することもあるので、室内での作業がベストです。

写真は取り外したシートです。
純正のシート皮がついに裂けてしまいました。シート皮はバイクの保管時に、日光や風雨がシート皮に直接当たらないようにするだけで、随分と寿命が延びて長持ちします。
ベルト及びキャッチ金具を取り外します。
シートを裏返し、写真の矢印の先にあるボルト(2箇所)を、10mmのレンチを使用して取り外してください。ボルトを取り外すことで、ベルト及びキャッチ金具はシートからフリーな状態になります。

取り外したベルト及びキャッチ金具は、必ず取り外す前の向きがわかるように、マーク等を印しておきましょう(キャッチ金具に関しては、特に前後の向きはないように思われますが、一応念のため)。
純正のシート皮を取り外します。
上記の作業同様シートを裏返して、シート皮を固定しているタッカー針を外していきます。私はタッカー針の取り外しにはマイナスドライバーとラジオペンチを使用しました。

赤い矢印の先にあるタッカー針は、比較的簡単に取り外せるのですが、問題は白い矢印の先にあるような、錆びて腐食した針です。予め呉工業の5-56等を塗布しておくことで、作業は多少進捗を見ますが、しかしそれでも腐食が進行している針は、作業の途中で折れてしまったりします。その場合は、折れた針をニッパー等でベースから引き抜くようにして、取り外してみましょう。それでも駄目な場合は潔く諦めるしかありません(笑)。
シート皮を取り外しました。
ウレタン(スポンジ)はカビや雨染みで汚れている状態です。このままの状態では折角新しい生地に張り替えても、ウレタンが更に悪化してしまう可能性があります。充分にウレタンを乾燥させてから、新しいシート生地を張るようにしましょう。

純正のシート皮のパイピングの部分が、ウレタンに跡を付けてしまっているので、紙やすり等で軽く修正しておきましょう。張り替え後の仕上がり具合が格段に良くなります。
新しいシート生地を張り付けます。
まずはベースに生地をあて、前後をタッカー針で仮どめしてしまいます。針は前後ともに3本ぐらいは打ち込んでおきましょう。1本ではシート生地のテンションに負けてしまう恐れがあります。

仮どめが終われば、今度はサイド部分に針を打ち込んでいきます。個人的にはタンデムシート側からメインシート側に向けて生地を固定させていった方が、よりキレイに張れるような気がします。ベースの形状によっては針が打ち込みにくいところがありますが、タッカーの向きを工夫して、なるべく均等な間隔になる様に針を打ち込んでいってください。針がベースに対して、垂直な状態で打ち込まれるようにタッカーの角度を調節しないと、針がベースに上手く入っていきません。
シート生地を張り終えたら、今度は余分な生地(張りしろの部分)をカットします。
このときタッカー針の直近にハサミを入れるのではなく、1cmほど余裕を持ってカットするようにしましょう(実際に人がシートに座った場合、タッカー針には強いテンションがかかります。生地に小さな裂けや破れが発生する可能性があるため、多少余裕を持ってカットした方が無難です)。

生地のカットには、裁ちバサミを使用するようにしましょう。
仕上がりの良さに大きな差がでます。
シートベルト及びキャッチ金具を取り付ける前の状態です。
今回使用したシート生地は、ホームセンターでソファーの張り替え用として売られていたものです。そのため立体裁断された生地に比べ、多少強いテンションで張り付ける必要がありました(シワを作らないようにするため)。
そのため立体裁断されたものに比べて、シート皮としての寿命はどうしても短いように思われます。

張り替えの作業は、特に難しい技術を必要とするものではありませんが、キレイに仕上げるためには、多少の器用さと根性が必要に思えます。
シートベルト及びキャッチ金具をベースに固定しました。

これでシートの張り替え作業は全て終了です。
シート生地は紫外線や風雨に直接さらされると、寿命が著しく短くなります。せっかく張り替えたシート生地を長持ちさせるためにも、車両を保管するときにはしっかりとケアしてあげましょう。