ラーメン食べま専科

店主達との雑談

東京は町田市内 とある中華そば屋 店主との雑談
店内にいたお客さん達が次々とお店を後にしていき、ふと気付くと私ひとりがポツンと取り残されてしまった格好‥。だがそんな時、店内に漂うビミョーな空気を察してくれてか、店主の○○さんの方からごくごく自然にお声をかけて下さった。○○さんの話し方や声質は、およそ人に圧迫感というものを感じさせない、穏やかで心地の良いものである。

話は四方山に及び、近隣にあるラーメン店のことから、果てはネット上のラーメンサイトに至るまで、実に広範且つ多岐に渡った。
近隣のラーメン店の話でひとしきりの盛り上がりをみせていたときに、以前からずっと気になっていた、時間帯によるスープの出来・不出来について、思い切って尋ねてみた。すると○○さん曰く「69○○‥さんなんかはね、時間帯によるスープの出来・不出来がない様にしてるけどね、ウチの場合には時間帯による出来・不出来(落差)が正直あるんですヨ。これは今ウチのラーメンの一番の課題でもあるんですが‥」とのこと。自らのウィークポイントをサラッとカミングアウトしてしまえるところにも、○○さんの真摯なお人柄、そしてある種の迫力のようなものさえ感じられた。

そのお人柄に甘えるような形で、化学調味料の使用についても忌憚のないご意見を伺ってみた。
「化学調味料を使うとね、たしかに味が膨らむよね〜」と、意外にも(!?)肯定的とさえ思える答えが返ってきた。実は私も化学調味料の使用については、全面的にではないが肯定的な意見を持っていたので、○○さんの返答には少なからず勇気付けられる思いがした(世の中のラーメン好きと言われる方々の中には、化学調味料の使用を快く思わない人が多いので‥)。

また○○さんとの会話の中で、妙に印象的だった部分を以下に紹介する。
「勇○さんとこはねぇ、利益を上げようとか、たくさんのお客さんを呼ぼうだとか、そういう商売っ気がほとんどないんだよね。商売とはまた違うカンジなのかな‥(笑)。でもああいうやり方はウチでは絶対に真似出来ないし‥生活もあるからね」
う〜ん、ラーメン店の経営者というものは、単に職人的な気質だけでは通用しないのだ、ということを改めて思い知らされる一日となった。ふ、深い‥。(2008.04.08 24:50頃 −○○さんのお店の店舗内にて−)
横浜市南区内にある家系拉麺店店主との雑談
店主の○○さんは何かひとつのことに打ち込み続けている人のみが持ち得る、あの一種独特の清らかさとでも言っていい雰囲気を漂わせている人物である。私がラーメンを食べ終わった後にデジカメで店舗の撮影をしていると、実に気さくに○○さんの方から話し掛けてこられた。言葉を少し交わしただけで、私は○○さんのお人柄に強く惹きつけられてしまい、思わず弟子入りでもしたいような強い衝動に駆られたのをよく覚えている。

○○さんからは昨今の家系ラーメンについてや酒○製麺の麺の種類、はたまたスープ作りなど
実に広範な範囲に渡ってお話を伺うことが出来た。

まず最初に○○さんに家系ラーメンのスープ作りにおいて一番苦労している点について伺ってみると、「ボクなんかにとってはガラをとるのが一番難しい。」とおっしゃられた。そこで私が家系ラーメンのスープのガラをとる前後の味の落差についてはどう考えておられるのかを伺ってみると、○○さんは少し口許でニヤッと笑いながら、「それは実はやり方があって、ガラをとる前後の味の落差があまりないスープにする方法はあるんです。」とおっしゃられた。私はその方法なるものに著しく興味を惹かれたのだが、○○さんの表情から「これ以上はもうしゃべらないよ。」という意思が読み取れたので、それ以上の質問は差し控えた。

次に私が昨今の家系ラーメン店について話を向けてみると、○○さんは「今は家系にとって厳しい時期だね。和風ダシのお店が流行っているから、今は本当にガマンの時期だね。」とおっしゃられた。そこで私が今流行りの和風ダシのお店についてどう思っているのか伺ってみると、「ウチのはお金をかけない醤油ラーメン、今流行りのお店はお金をかけた醤油ラーメン(笑)」と自らの家系スープと和風ダシのスープについて非常に簡潔に比較されていた(ちなみに○○さんのお店のラーメンは並盛で550円)。しかしその笑顔の裏には「安くてウマいのはボクの作るスープのほうでしょ。」とでも言っていそうな、確固たる自信が見え隠れしているようだった。さらに話は私が最近訪れた家系のお店、及びその時に食したラーメンに及ぶと、「ラーメンは全て作り手次第で味が変わってしまうものだから、支店を増やした結果各店舗で味が違ってきてしまうのはむしろ当然のこと。だからウチはココだけ(笑)」と自らのお店を軽く指差しながら、笑顔で答えられた。○○さんのラーメンへの情熱、心意気には本当に頭の下がる思いだ。

続いて家系について話をしているうちに、麺について○○さんが触れられたので、私はかねがね疑問に感じていた酒○製麺の麺の種類について質問してみることにした。すると○○さんは「酒○製麺には3種類の麺があるんですよ。ウチで使っているのが3種類の中で太さが真ん中のもの、それに吉○家や六○家で使用されているのが太麺、あとあまりないけど細麺も一応あるんですよ。」とただのラーメン好きの兄ちゃんにしか過ぎない私に実に丁寧に教えてくださった。私は酒○製麺といえば太さに関しては1種類しかないものと思い込んでいたが、それが実に無知で勝手な思い込みであることに気付かされた。本当に世の中知らないことだらけである。しかし肝心の麺の風味の差異については、ついに聞けずじまいで終わってしまい、そのことは今でも私の中で少し心残りである。

最後に、というわけでもないのだが、○○さんと話をしている最中、たまたま○藤家や吉○家について何度か話題が及ぶことがあった。そのとき○○さんの口から「健(○藤家店主)はね・・・」「吉○のトコで・・・」などという言葉が発せられる度に、私にとって今まで活字の中でしか知らなかったバーチャルな人物たちがより身近に感じられて、何とも不思議な思いがしたのを今でも昨日のことように覚えている。(2003.06.21 24:50頃 −○○さんのお店前の路上にて−)
厚木市内にある家系拉麺店店主との雑談
たまたま店主の○○さんとお話しをする機会を得た。○○さんはかつて六○家の店長を7年間勤められたという経歴もあり、家系というものに対する思い入れの強さはハンパないものがある。○○さんは私の不躾な質問にもイヤな顔ひとつ見せずに誠実に答えてくださったのだが、私も図々しいとは感じながらも○○さんのお人柄に甘えるかたちで日頃から感じていた家系に対するいくつかの疑問点をぶつけてさせて頂いた。

まず家系のスープの出来・不出来の問題について伺ったのだが、○○さん曰くスープを作り
切りに出来るお店は比較的味を均一な状態でお客さんに提供することが可能なのだそうだ。しかし家系の場合1日の間に何度かガラをとるのだが(○○さんのお店では3回)、そのガラをとる前後の味の落差が激しく、お客さんはたった30分お店に来る時間が異なっただけで、かなり味の違うスープを味わうことになってしまう可能性があるとのこと。○○さん自身何とかこの落差を縮めたいと思って、いろいろと考えておられるようだったが、現時点ではこれといった有効策は見付かっていない様子。どうやらこれは家系ラーメンの大きな課題のひとつのようである。

次にチャーシューについて伺った。多くの人が思われていることだと思うが、家系のお店のチャーシューのレベルの低さといったらあまりにもヒド過ぎ、家系ファンの私でさえ目を覆いたくなるような有様である。家系のチャーシューの多くが何故薄味なのか、何故食感が固いのか、何故大きさが小振りなのか本当に不思議でならない。このことについて○○さんは、味に関しては家系のスープは基本的に濃い味なので、チャーシューまで濃い味にしてしまうとお互いの味がケンカしてしまうと説明された。確かに○○さんのお店のチャーシューはしっかりと味付けされていながらも決して濃い味ではなく、スープの味とのバランスも程良くとられてはいたが、家系の中にも菊地家のようにボリュームもあり、さらに風味・食感に優れたチャーシューを提供しているお店もごく僅かではあるが存在しているのも事実。やはりチャーシューのボリュームも含めた質の向上という課題は、これから多くの家系のお店で真剣に取り組んで欲しい問題に思える。(2003.05.03 22:00頃 −○○さんのお店前の路上にて−)