フロントブレーキパッド交換
用意するもの
・14mmレンチ
・ラジオペンチ
・フロントブレーキパッド 1セット
注目!
ブレーキパッドは運転の仕方によって、磨耗の度合いに大きな差が生じます。自分の運転のクセを把握すると共に、常日頃からパッドの残量には気を配るようにしましょう。パッド部分を使い切っているのにも関わらず、そのまま使用を続けているとディスクローターを大きく傷めてしまいます。

また新品のブレーキパッドに交換後は、ブレーキレバーを何回か作動させて、交換作業中に押し戻されてしまったピストンがブレーキパッドまでせり出してくるようにします。この作業はバイクに乗る前に、必ず忘れずに行うようにしてください。もし作業を怠るようなことがあれば、乗り出して一発目にかけるブレーキが全く効かない恐れがあります。危険なコトこの上ありません。

また新品のブレーキパッドにアタリが出るまでは、ブレーキングポイントは通常よりも手前にとるように心掛けましょう。
今回装着するブレーキパッドです。
SBSのブルーラベルですね。同ブランドの中では、一番廉価な製品となります。控えめなお値段に相応して、制動力は正直高くはありません。

ただしその分、ブレーキディスクへの攻撃性は低く、ディスクローターとお財布にとっては優しい製品といえます。

お探しになる際の参考になれば‥と思い、部品番号を表記しておきます。
【 部品番号 705HF 】
パッドを交換するためには、キャリパーをフロントフォークからフリーな状態にする必要があります。このとき、取り外したキャリパーを置くことが出来るように、ダンボール等で予め置き場を設置しておきましょう。イメージとしては、箸休め時における、箸置きの役目です。
これはキャリパーに接続されたままになっているブレーキホースに、負担がかからないようにするための処置です。間違っても、ブレーキホースにキャリパーの荷重がそのままかかるような状態にしてはなりません。
写真の矢印のところにある、2本のボルトを14mmのレンチを使用して取り外します。この2本のボルトを取り外すことで、キャリパーは車体からある程度自由な状態になります(ブレーキホースはキャリパーに接続された状態のまま、以降の作業は進めることとなります)。
キャリパーから、古いパッドを取り外します。
赤い矢印の先にあるパッドピンをキャリパーから取り外すことで、パッドはフリーな状態になります。パッドピンを固定しているクリップ(白い矢印の先)をラジオペンチ等を使用して抜き取りましょう。サビや汚れで抜き取りづらい場合には、5-56等(潤滑油)をピンに塗布してから作業を進めると良いでしょう。

上記のパッドピンをキャリパーから取り外し、併せてパッドもキャリパーから取り外します。
キャリパーからパッドを取り外したところです。
キャリパーは予め設置しておいたダンボールの上に置くようにしましょう(このとき、接続されているブレーキホースに無理なテンションがかかっていないか、確認しながら置くようにしてください)。ブレーキホースの先にキャリパーがぶら下がっているような状態での作業は絶対にNGです!
新品のパッドをキャリパーにとりあえず設置してみました。

パッドを組み付ける前に、予めピストンをキャリパーの中に押し戻しておく必要があります。何故ならば、新品のパッドは使い古したパッドに比べて厚みがあるために、ブレーキディスクを挟み込むだけのスペースが確保出来なくなるからです(ちなみに写真のような状態では、ディスクローターを挿し挟む余地は全くありません)。

ピストンを押し戻すためには、多少の力が必要です。握力に自信のある場合には、そのまま親指でピストンをキャリパーに押し込んでしまいましょう。しかし女の子等握力に限界がある場合には、ウォーターポンププライヤー等文明の利器を利用して、合理的にピストンを押し戻すようにしましょう。
キャリパーにパッドを組み込み、固定し終えたら、車体(フロントフォーク)にキャリパーを取り付けます。

取り付け作業は、取り外した際の逆の作業を行えば良いだけですが、2枚のパッドの間にディスクローターを挟むような形で取り付けなければなりません。上記でも説明しましたが、ディスクローターの厚みの分、ピストンが押し戻されていないと取り付けは不可能です。

車体にキャリパーを固定します。写真のように、2本のボルトを取り付けて、14mmのレンチを使用して締め付けます。
以上でパッドの交換作業は全て終了です‥が、最後にマスターシリンダーでブレーキフルードの量(レベル)を確認しておきましょう。