フロントブレーキフルード交換
用意するもの
・8mmメガネレンチ
・プラスドライバー
・ウエス
・DOT4ブレーキフルード
・園芸用シリコンチューブ
・受け皿(500mlペットボトルを代用−必ず無色透明なものを用意−)
注目!
油脂類の中ではブレーキフルードの交換はつい怠ってしまいがちです。性能の劣化を体感出来ないことが最大の理由でしょう。しかしブレーキフルードの劣化はその周辺部品にも影響があるので、やはり定期的な交換を心掛けたいものです(SUZUKIでは恐らく交換サイクルを1年に設定していると思います)。また作業自体は決して難しいものではありませんが、エアの混入とブレーキフルードの車体への付着にはくれぐれも気を付けるようにしてください。ブレーキフルードが車体の塗装、プラスティック、ゴム面に付着すると、その箇所を損傷してしまいます。付着したブレーキフルードは速やかに拭き取るか、洗い流すかしてください。
フロントブレーキフルードの交換の為に用意するものは、8mmメガネレンチ、プラスドライバー、ウエス(キッチンタオルでもよい)、DOT4ブレーキフルード、園芸用シリコンチューブ、受け皿(500mlペットボトルを代用−必ず無色透明なもの−)の6つです。ウエスはブレーキフルードが車体に付着してしまった場合に拭き取る必要があるので予め用意しておきます。

写真は今回使用したブレーキフルード(Castrol製・500ml)です。近所のホームセンターで1690円(税抜)で購入しました。
まずハンドルを直進の状態にしてから、写真の矢印で示している2つのネジをプラスドライバーで外して、リザーバキャップを取り外します。ネジは結構強い力で締まっているのでナメらないように気を付けてください。

次にリザーバダイヤフラムプレート(白い板状の部品・以下プレートとのみ表記)とリザーバダイヤフラム(黒いゴム製の部品・以下ダイヤフラムとのみ表記)を外すのですが、センタースタンドがなく車体が路面に対して斜めになっている状態で作業を進めている場合には注意する点があります。
車体が路面に対して斜めになっている場合、リザーバタンクも水平な状態ではあり得ません。そのためプレートとダイヤフラムを外すときには、リザーバタンク内のブレーキフルードのレベルが写真の白いラインよりも下でなければブレーキフルードが溢れてきてしまいます。もしも白いラインよりもブレーキフルードのレベルが上の場合は、プレートとダイヤフラムは外さずにリザーバキャップだけを外した状態でブレーキフルードを抜き、リザーバタンク内のブレーキフルードのレベルが白いラインと同程度にまで下がってからプレートとダイヤフラムを外すようにしてください。
プレートとダイヤフラムを外した後、ブレーキキャリパーにあるブリードスクリュの先端に付いているゴムキャップを写真の白い矢印の方向に引っ張って外します。

次に赤い矢印のところにあるブリードスクリュに8mmのメガネレンチをかけて、ゴムキャップのあったところにシリコンチューブを取り付けます。シリコンチューブの反対側には受け皿を用意しておいてください。
ブレーキレバーを一杯に握った状態でブリードスクリュを緩めると、ブリードスクリュからブレーキフルードが出てきます。するとブレーキレバーが一番奥までいきますので、レバーを握ったまますぐにブリードスクリュを締め付けてください。

ブリードスクリュを締め付けた後はブレーキレバーを放し、数秒後に今度はゆっくりと数回レバーを作動させます。するとすぐに柔らかくなっていたレバーが元通りの固さを取り戻すので、またレバーを一杯に握り、そのままの状態でブリードスクリュを緩めます。
上記の作業をリザーバタンクにブレーキフルードを補充しながら、ブリードスクリュから出てくるブレーキフルードが新しい透明なものになるまで繰り返してください。このとき、リザーバタンク内のブレーキフルードのレベルが写真の白いラインよりも下回ってしまうとエアが混入する恐れがあるので充分に注意します。車体が垂直な状態で作業を進めている方はLOWERレベルを基準にブレーキフルードを補充するようにしてください。

最後に工具類を外し、元通りに部品を組み付ければ交換作業は終了です。