フレームのヘコみの補修
用意するもの
・工作用鉄やすり
・#400 サンドペーパー(耐水である必要はありません)
・#600 耐水サンドペーパー
・#1000 耐水サンドペーパー
・塗装用マスキングテープ(今回はガムテープで代用)
・キッチンタオル
・水
・ポリエチレン製ゴミ袋(45L)・新聞紙
・エポキシパテ
・塗装用スプレー(ブラック・光沢)
注目!
バイクで知人の家を訪ねるために走行中、横断歩道の手前で一時停止していたら、後ろから突然車に追突されてしまいました。そのとき、バイクは右側に転倒して、追突されたダメージ+転倒した際のダメージまで負ってしまったのですが、フレームのヘコみに関しては前々からあるヘコみと今回の事故で負ったヘコみとの判別がつき難いとのことで、相手方の保険屋の物損の対象とは成り得ず、やむを得ず自分で補修することにしました。

今回私はあまり手間をかけずに補修せざるを得なかったのですが、より補修後の仕上がりに完璧さを求める方は塗装用のスプレー以外にもボカシ剤を用意し、さらにご自分のバイクのフレームの正確な色を何らかの方法で事前に調べてから補修作業に入ることをお薦めします。
まず最初にエポキシパテをもる範囲を決めます。パテをもる範囲はフレームにあるヘコみ・キズの外縁から3〜5mm前後ぐらいを目安にすれば良いと思います。パテをもる範囲が決まったら、パテがフレームの他の場所に付着することを防ぐためにマスキングテープなどで周囲を保護してしまいましょう。写真はすでにエポキシパテをもったあとのものですが、マスキングテープを貼る際の参考にしてみてください。

次にフレームにあるヘコみ・キズにあるささくれだっている部分を#400のサンドペーパーを使って削り落とし、さらにエポキシパテの付着を良くするために、同様に#400のサンドペーパーを使用してパテをもる範囲全体をかるくこするようにして、細かいキズをつけます。
上記までの作業が終了したら、水を含んだキッチンタオルなどでサンドペーパーをかけた範囲を拭って汚れをきれいに拭き取り、さらに乾拭きして付着している水分をも拭き取るようにします。

ここからはいよいよエポキシパテをもる作業に入るのですが、その前にシリコンリムーバーでさらにパテをもる範囲の油分等の汚れまでをしっかりと拭き取ってしまいます。注意点としてはシリコンリムーバーが塗装面を傷めてしまったり、またパテをもる場所以外に付着してしまうことを防ぐため、あらかじめシリコンリムーバーをキッチンタオルなどに含ませてから、パテをもる場所を何度か拭ったらすぐに乾拭きをしてシリコンリムーバーをしっかりと拭き取るようにする点です。

写真が前後していますが、ここでようやくエポキシパテをもります。上の写真を参考にしてみてください。
パテをもってから丸1日たったら、いよいよパテを削る作業に入ります(エポキシパテが完全に乾燥するのに必要な時間は約24時間です)。その前にやすりがけの作業の際、車体の他の場所をやすりで傷付けてしまうことがないように、あらかじめパテをもったときよりもより広い範囲をマスキングテープなどで保護するようにしておいたほうが無難でしょう。

実際のやすりがけの作業は工作用の鉄やすり(写真)でパテを一気に削っておおまかに面出しをしてから、目の粗いサンドペーパー(#400)を使用してきれいに整形し、さらにより目の細かい耐水サンドペーパー(#600、1000)を使ってパテの表面のザラつきを取るようなイメージで仕上げていきます。
写真の木片はサンドペーパー、特に工作用の鉄やすりでパテの面出しをした後に#400のサンドペーパーをかける際にあると重宝なものです。写真では木片の寸法がわかりづらいと思うので、一応明記しておきますが、縦40mm×横52mm×高さ24mmで、私の手のひらにスッポリと納まるほどの大きさです。この木片はいわゆるあて木といわれる用途に使用したのですが、特にカー用品等の補修用品として販売されているあて木を高い金額を出して購入する必要はなく、ホームセンター等で100円前後の木材を買えば充分でしょう。

このあて木にサンドペーパーをあて、直線的できれいなラインが出るようにパテを削って整形していきます。あて木を使用したのと使用しなかったのでは仕上がり具合に差が出るので、私はあて木の使用を強くお薦めします。
写真はエポキシパテを削り、整形が終了した状態のものです。
エポキシパテを削っていくと、どうしてもパテをもる際に混入したエアのあとがいくつか現れてくるので、#1000のサンドペーパーでパテの削り出しの仕上げの工程に入る前に再度パテで混入したエアのあとを塞ぎ、パテが完全に乾燥してから、最終的な仕上げの作業に入るようにしてください。この工程をサボると塗装後の仕上がりが全然違ってきてしまうので、多少時間はかかりますし面倒ですが、ここは我慢して地道に作業を進めるようにしましょう。
ここからいよいよ最終工程である塗装作業に入ります。
まず塗装箇所以外をマスキングしなければならないのですが、私は新聞紙も使用していますが、大部分のマスキングにはポリエチレン製ゴミ袋(今回は45L)を使っています。理由はゴミ袋をカットして1枚の平面状のシートのようにすると、新聞紙よりも単純に面積が大きくなるのでマスキングの作業が楽になることと、新聞紙の場合端にある小さい穴をいちいち塞ぐのが面倒くさいからです。

肝心のマスキングする範囲ですが、パテをもった箇所から8〜10mm前後離れた場所を目安にするようにするとよいでしょう。マスキングが終わればいよいよ塗装作業なのですが、その前に塗装箇所を香水を含ませたキッチンタオルで拭き取り、その後すぐに乾いたキッチンタオルで乾拭きして、塗装箇所についている汚れを取り除いてしまいます。
上記からの流れですが、、、
塗装箇所の汚れ落としに何故シリコンリムーバーではなく香水を使用するのかというと、シリコンリムーバーではせっかくもったパテが溶けてきてしまうからです。しかし香水(今回はたまたまCKone)にもパテを溶かすぐらいの力はあるので、キッチンタオルに含ます香水の量は少量にし、またすぐに乾拭きをするように心がけてください。

あとは塗装箇所を塗装用スプレーで5〜6回重ね塗りすれば完成です。注意点としては一番最初に塗装するときには厚塗りを避け、ごく少量スプレーを吹きかけるようにする点です。2度、3度と重ね塗りする度に少しづつ厚塗りするようにしていけば失敗することもなく、仕上がりもよりきれいになるでしょう。ちなみに今回は塗装と塗装のインターバルには1時間30分前後とるようにしました(より完璧に仕上げる為には、ボカシ剤やコンパウンドなどを使用してください)。